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空飛ぶ広報室 二次小説

それでも隣で 9

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「そろそろリカを起こしてくるわね。私、見たいテレビがあるからってことで戻ってこないからリカをよろしく
後でゆっくり部屋飲みしましょ。」

「ん、わかった。」

瑛子が部屋に戻ると、リカは起きて髪を撫でつけているところだった。

「起きたのね。高橋さんがレストランで待ってるから行ってらっしゃい。」

「お母さんはもう食事すんだの?」

「まあ、だいたいね。食べたいものは食べたし、まだちょっと飲み足りないけど、それは後で。
見たいと思っていたテレビの録画予約忘れちゃったのよ。それ思い出して。」

「せっかく高橋さんに会いに来たのに!悪いじゃない。戻らなくていいの?」

「いいのいいの。そんな気を使う間柄じゃないんだから。一人で待ってるんだから、早く行って!」

なんだかなぁ。仙台まで来て、見たいテレビなんて。わがまま母め✊

「高橋さん、すみません。お1人にしてしまって。」

「いいのよ。まずは食べたいもの取ってきて。人気のあるメニューは早い者勝ちだから。飲み物はビールでいいかしら?」

「はい。ありがとうございます。じゃ、ちょっと見て取ってきますね。」

「結構メニュー豊富ですね。私、あんまり食べられないのでバイキングだと嬉しいです。好きなもの少しずついただけますものね。デザートも何種類かあるし。」

「じゃ、改めまして。かんぱ~い。ようこそ、仙台へ。」

「なんだかすみません。急に押しかけておいて、録画しそこなったテレビ見るとか。勝手に部屋に戻ってしまって。

うちの母って昔からそうなんですか?」

保代は笑顔で首を振り否定した。

「えっこは、リカさんのお母さんは高校生の頃から気遣いのできる人で、いっつもみんなに頼られて面倒見る側よ。

それができる人だし、断れないからいつも引き受けちゃって。申し訳ないと思いながら、私なんかいつも助けてもらってばっかり。

ありがたい友達なのよ。

震災の時もね、主人、ちょうど東京に出張だったの。最初は工場とか本社の会議室に泊まらせてもらってたんだけど、ホテルも取れなくて困っていた時に偶然あなたのお母さんと逢って、会社の人と一緒に二日もお世話になったのよ。本当に助かったわ。」

「ご主人は母のことご存じだったんですね。」

「ええ、私たちが結婚したばかりのころ-そのころは東京にいたの私たちも-社宅に訪ねて来てくれたことがあって、それ以来うちの旦那はあなたのお母さんのファンなのよ。美人だし知的で気遣いもあってって。もう、べた褒め。

旦那があなたのお母さんに会ったのはそれ以来なんだけど、ちゃんと覚えていたんだわ。えっこ、若くて変わらないしすぐわかったみたいよ。男の人って美人に弱いから。」

「ただ、ご主人がリカさんのお父さんが亡くなっていることは旦那も知っていたから遠慮したんだけどね。未亡人の家に、非常時とはいえ他人の男が泊まるなんてできないじゃない。

そしたらえっこは、一人じゃまずければ同僚の方も一緒にって。困っていたのは確かだったから結局お言葉に甘えたんだけどね。

でも、あの時は東京だって大変だったんでしょ。ありがたかったけれど申し訳なくて。

人の面倒は見るくせに自分は人を頼るのが下手で…昔からなのよ。あなたのお父さんが亡くなってからだって私や仲間に愚痴なんかこぼしたこともないし。

リカさんもそうなんじゃない?辛いことがあっても一人で抱え込んじゃうタイプ?」

「いえ、私は自分のことで精いっぱいで。仕事では、立場上後輩を指導するようにはなりましたが、それは仕事だからできることで。

でも、人に甘えるのが下手なのは母譲りかもしれませんね。そういうところはあるかもしれません。

母は、高橋さんを私に会わせたかったのでしょうか。」

「そう思うなら・・・心配かけるからって、お母さんにも言わないで誰にも言えなくてしんどくなっていることがもしあるなら・・・

私なんか吐き出す相手としてはいいんじゃないかしら。全然知らない間柄ではないけれど、この後あまり顔を合わすこともないでしょう?しゃべってしまって気まずいとか言う心配はないし。

ああ・・・ただリカさんのお母さんに情報漏えいするという可能性は否定できないけれど!(笑)」

「あの・・・、お聞きしたいことがあるんです。こんなこと聞かれるのはうんざりとか不愉快だったらごめんなさい。

高橋さんは、震災で被害には遭われなかったんでしょうか。」

「我が家はね、お陰様で。仙台市内と言っても山形に近い方だから津波被害は全然なかったから。」

「そうですか。よかった。あ、すみません。よかった、というのも変ですね。」

気にしないで、というように保代は首を振った。

「今回の震災は、津波の被害が大きかったでしょ。建物とか道路とかの被害は30年前ぐらいにあった宮城県沖地震の時の方が被害は大きかったようよ。

宮城県沖地震の時は、家の中の物倒れなかったものはなかったんですって。テレビとかタンスとか。ブロック塀もずいぶん倒れたっていうし建物もずいぶん被害が大きかったらしいわ。

それに比べれば、まだね。我が家も、壁に少しひびが入ったくらいで修繕も必要なかったくらいだから。お皿とかは落ちてずいぶん壊れたけれどね。家族もみんな無事だったし。

ただ、ご近所でも地盤の良くないところに当たったお宅は被害が大きかったり、ご親戚とかご実家が沿岸部の方がいて、そういう方はやっぱりお身内を亡くされている方がいる。海の傍には行きたくないって。家ごと流されて、まだ見つかっていないって…気の毒でね。

高校の同級生は、私もダメだって思っていた人もいたみたい。

東京の方では、沿岸部の津波の映像が繰り返し放送されたでしょ。仙台市といっても広いんだけれど、土地勘のない人にとってはわからないじゃない。電話も通じないし。

えっこも心配してくれていたみたい。旦那とはメールで当日の夜までは連絡が取れていたから無事なことはわかっていたからね、旦那と逢って無事なことがわかって安心したみたい。」

「そうだったんですね。私は、放送する側でずいぶん悩みました。

視聴者からも被害が大きいという報道や映像ばかりで、不安をあおるばかりじゃないのかって。そういう意見の電話とかメールとかも局には結構来てましたし。」

「で、リカさんはどうして我が家の被害のことを聞きたかったの?今日こうして会ったからあいさつ代わり的な?それとも、報道する側として現地の被害の実態の一例を聞きたかったのかしら?」ん?と顔を覗き込むように尋ねられリカはうっと詰まった。

「私…松島に知り合いがいて…、空幕広報室を担当していた時に帝都テレビの窓口をしてくださった方で・・・3/11に、あの日に会うはずだったんです。前日の10日、お蔵入りになっていた取材の映像が番組にできることになって「ご挨拶に行きます」って電話したら『来ないでくださいって』・・・」

保代はえ?という顔。

「私、嫌われたのかと思いました。私、何かした?って一瞬思って、そうしたら『今日、松島にいるんで。今日来られたら僕が稲葉さんに会えないじゃないですか』って。おかしいですよね。話の順番。そういう人なんです。本当に…なんなの・・・

だから『明日伺えばいいんですね。じゃ、明日』って。電話切って、それきりです。」

「会ってないの?」

「はい。」

「連絡は?メールとか、電話とか。」

「地震の後すぐメールが来ました。『自分は、無事です。』それだけですけど。

その後しばらくは、3カ月くらいは私から時々メールしました。反ってくることは稀でしたけれど。それでも・・・支えでした。

最後に『松島に移動することになりました。もう連絡しません。・・・幸せになってください。』・・・それきり連絡はありません。私も…できませんでした。」




こんばんは。3月11日です。あの日から7年が経ちました。

今日は震災関連の報道がたくさんありました。

表面的には震災前と変わらないくらい復興が進んだように見えるかもしれませんが、まだ避難生活をしている方は7万人、仮設住宅に暮らしている方が13500人以上いるということです。

仙台に住んでいた時の知り合いにお身内を震災で亡くされた人がいました。自宅や家族は大丈夫だったのですが、ご実家が沿岸部で津波の被害に遭ったのでした。

その人は、今でも海の傍には行きたくないといってました。

生活が安定したとしても、心の復興にはまだ時間が必要なのでしょう。
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