空飛ぶ広報室 二次小説

それでも隣で 10

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高橋さん、そろそろ部屋へ戻りませんか?

ここではちょっと話しにくいこともありますし…
もう少しお話したいんです。


食事はもういいの?あまり食べてないじゃない。


いつもこんなもんなんです。でも、もう少し考えて食べないといけないですよね。若くないですから。


あら、リカさんが若くなかったら私たちはどうなるの(笑)
まあ、リカさんの場合は、これからのことを考えて食事はしっかりとしなきゃいけないことは確かよね。
美味しいものにこだわるのもいいけれど、食事は頭でしなきゃだめよ。

味噌汁取ってきましょ。一緒に。それいただいたら部屋に行ってゆっくり飲み直しましょうか。

はい。


リカと保代は連れ立って席を立った。


疲れている時とか食欲のない時は、味噌汁を具だくさんにして飲むといいわよ。
冷凍のホウレンソウとか豆腐とかおくらとかあるでしょ。
そういうのを買っておいて、味噌汁はインスタントでもいいから。
本当は出汁を取ってちゃんとした味噌を溶いて作りたいところだけれどそうもいかないときは便利なものを活用してね。

ここのも具がほとんどないから、サラダバーのおくらとわかめとかぼちゃをいただいて、はい、具だくさん味噌汁の出来上がり!どうぞ。


あ、ありがとうございます。


子どもたちと一緒の時こういうことやるとね、やりすぎ!って怒られちゃうんだけど。

私、昔からあまり丈夫じゃなかったから、野菜が不足するとてきめんに調子が悪くなっちゃうのよ。だから、ついね。



じゃ、部屋に行きましょうか。売店でお酒買っていきましょ。


私の部屋でいいでしょ。えっこにはテレビ終わったら来るように言ってあるから。



プシュッと缶を開け乾杯する。


ねえ・・・、どうしてリカさんは会いに行かないの?
その人、「連絡はしません。」って言ってきただけで「連絡しないでください。」って言ったわけじゃないんでしょ?
忘れられないのなら、会いに行けばいいのに。


「幸せになってください。」ってどういう意味だと思いますか?私には…わからないんです。

わかりたくないのかな。むしろ。

もう、あなたには関われない。関わりたくない。だから、忘れてください。っていう風にしか思えなくて。


メール、何度も読み返しました。


何度も返信しようと思いました。


どういう意味ですか。私からメールしたらダメなんですか。会いに行っちゃだめですか。って


でもできませんでした。


もっとはっきり拒絶されたらと思うと怖くて…



嫌われたとは思いません。きっと、私のためを思って…いざというとき傍にいられないから…危険な仕事だし、だから・・・だと。



でも、・・・自衛官だって家族いるじゃないですか。好きな人と結婚してるじゃないですか。

恋愛も、結婚も難しいかもしれないけど…


私も…仕事をやめようとは思っていません。確かに、東京を離れるのは難しいです。


それでも・・・私は隣に居たかったんです。隣でずっと見ていたかったのに…


うちの長男もね、自衛官なの。海だけどね。だから、自衛官の考えることっていうか思考回路?はすこしはわかるつもり。

海なんかは、いざという時どころかいったん船に乗ったら何カ月も帰ってこないわけじゃない?今は海外にもいくわけだし。
だからだと思うんだけど、家族のことはすごく気に掛ける。そういうふうに学校の頃徹底的に仕込まれるのよ。

うちのは中卒で学校に入ったから生徒っていうんだけど、学校にいる間、江田島のね昔の海軍兵学校があったところ、地震とか、大雨が降ったとかそのたびに「大丈夫だった?」って必ず連絡が入ったわ。教官に言われるみたい。実家が大丈夫か確認しろって。


もちろん、その方の人柄もあるんだろうけれど、相手のことを先に考えてしまう、そういうふうになってしまうんだと思うの。
大事だと思えば思うほど。


松島で被災されたのよね。出張中に。よほどひどい光景を目の当たりにしたんでしょうね。



息子さんも災害支援に行かれたんですか?


たぶん、行ってないんじゃないかしら?わからないわ。仕事のことはほとんど言わないから。私も聞かないしね。


私ね、息子が自衛隊の学校に入ったころ、すごく悔しい思いしたの。

同級生のお母さんにね「心配じゃない?自衛隊って、海外派遣されることもあるんでしょ。」って。
わざわざ戦争に息子を送り出す愚かな母みたいな言い方されたの…

確かに平和維持活動に派遣されることはある。

でも、そういうのは志願制なのよ。
希望しないのに行かされるなんていうのは絶対ないし、海外派遣で死亡した隊員ってゼロなの。
そういう事実も知らないで、まるで戦争しに行かされるんでしょ。みたいな・・・

もちろん、紛争に絶対巻き込まれることはないないとは言い切れないけれど。
私は、人と国を守ることを仕事に選んだ息子のことを誇りに思ってるわ。だから、新聞に投書したの。

自衛官は確かに危険な仕事かもしれない。紛争地帯に派遣されることもある。
世の中には、危険な、命がけの仕事はたくさんある。そういう仕事をしている人の家族は、危険だからとその仕事を辞めるように言うのだろうか。
自衛官を志したからと言って戦争を肯定しているわけではない。
人を守る仕事を選んだ息子を私は誇りに思う。・・・まあ、そんな投書ね。


ああ…私も耳が痛いです。

私も…空井さんと仕事をし始めたころ「戦闘機は人殺しのための機械だ。パイロットは殺人願望がある。」なんて非常識なこと言ってしまって・・・


そう。そんなことがあったのね。


空井さんに「人を殺したいなんて思ったこと一度もありません!」ってすごい剣幕で言われてびっくりしました。
自分じゃ、ひどいことを言ったつもりなんて全然ないのでなんで私怒鳴られなきゃならないの?って


そう、その同級生のお母さんだって私がすごくムカッとしたなんてきっと想像もつかないんでしょうね。

心配して言ってくれたつもりなのよ。



ねえ、リカさんも震災の時しばらく家に帰れなかったんじゃない?


はい、報道にかかりきりで家に帰れたのは五日目でした。

でしょう?いざという時家族の元に帰れない人なんてあの時はいくらでもいたのよ。

友人に警察官の奥さんがいるんだけど、一週間帰ってこなかったって。
その間、連絡は全然なし。JRにお勤めのご主人だって三日帰ってこなかったって。


JR?


あの時、仙台駅も大変だったでしょ。
あの日の夕方から夜は、駅前のペデストリアンデッキに人があふれて危険な状況だったんですって。
一晩中その整理に当たってたって。将棋倒しになって死者でも出たら大変なことじゃない?

みんな多かれ少なかれ、東北に住んでいる人、関わりのある人は何かしら大変な思いをしているんだと思う。

起きてしまったことはもうどうしようもないじゃない。

今更関わりを絶ったところで何もなかったことにはできないの。

うちの子どもたちだって、確かに震災が無かったらもっとうまくいっていたかもしれないと思うことはあるわ。
進学とか就職とかね。

でもそんなこと考えたってどうにもならないんだし、前に進むしかないじゃない。

失敗したって、またそこからやり直せばいいんだから。
やらないで後で後悔するより、やってみて、うまくいかなかったらやり直すことの方が私はいいと思うの。

苦労したことは全部いつか役に立つはずだし、役に立たせてみせる!ぐらいの気合で生きなきゃいけないなって思うようになったわ。年を取って良かったなって思うことはそれよ。
そういうふうに考えられるようになったこと。

ダメだったときはいったんは落ち込むんだけどね。
ふふふ。
おばさんは、しぶといから。

あ・・・、お酒なくなっちゃったわね。
リカさん、お願いしてもいいかしら?
ついでにえっこに声かけてきて。
早く来ないとお酒なくなるわよって。

はい、じゃちょっと行ってきますね。







会話ばかりの文章なのでカッコなしで書いてみました。

読みづらいですよね。申し訳ありません。

次回こそ、空井さん登場・・・かな?
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